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鴨、ネギを奪われる ~ネギ屋の仕事始め~

1/3 Buenos Aires ,ARGENTINA


さて、今日はどこ行こう。

のんびり10時頃起きてしまい、今日の予定を迷う。

他の客が昨日ボカという地区に行き、かの有名なサッカーチーム、ボカジュニアーズのスタジアムやアートストリートを見てきてかなり良かったらしい。

よし、そこに行こう!

昨日の治安情報大会でボカの情報もゲットしたオレは、危険ゾーンを確かめつつ、宿を後にする。



IMG_1901.jpg
(宿のすぐ近く、サッカーコート。南米は本当に多い)




ボカも宿から歩いて行ける。
昨日とは反対方向だ。

のんびりした町だけど、昨日よりキレイじゃない、生活感のある町を歩く。






IMG_1903.jpg
(坂道がんばれお母さん)






途中、腹が減ったので運良くみつけた僕らの味方、マク◯ナル◯に入る。

ああ、大好きだ!マ◯◯◯ル◯!

そして気持ち大きい肉のバーガーを食い、トイレも順調に済ませ、大満足で◯◯◯◯◯◯を後にした。






道がわからなくなったので近くの警察に聞き、ボカジュニアーズのスタジアム、ボンボネーラを目指す。


大通りを歩いていると広場の向こうにボンボネーラ!
あれかー!


広場からボンボネーラの写真を撮り、カメラをディパックにしまう。
ああ、いちいちめんどくさい。。。


広場を突っ切ってボンボネーラへ。
のどかな住宅街の中を歩く。



IMG_1909.jpg
(おお、あれがボンボネーラ!!!)


IMG_1913.jpg
(サッカーコートとマンション)


IMG_1916.jpg
(アルゼンチンにいますよ。オレは)


IMG_1920.jpg
(広場で自転車に乗る練習する兄弟)







と、その時、3m先の大きい街路樹の脇から男が現われた。








あ、でた。






すぐにわかった。
強盗です。



黒いジャージにグレーのTシャツ。
混血の黒髪の男だ。






そして、その右手には拳銃が握られていた。




通りの向かいやオレの後ろの方には他の人が歩いている。
そんなのおかまい無しに男はオレの方に足早に歩いてきて、腰の辺りで銃を向けながら
「カバンと財布をよこせ。全部だ」
と静かに言った。



『やだ』




なぜか全然怖くない。
とても冷静に男を見ていた。



うーん、銃、奪えそうやな。
っていうか、勝てそうやな・・・。
右手押さえてしまえばなんとでもなりそう・・・。




男は1人。
身長はオレと同じくらい。
語気を荒げずにしゃべるその男はなぜか弱そうで、反抗しようかどうしようか、短い時間ずっと考えていた。



「いいからよこせ、はやくしろ」

男が左手でオレの肩をつかむ。



『やだやだ』

手を払って退く。

「カバン見せろって!」


ああ、カバンつかまれた。




今、オレのカバンの中には愛機7D(デジタル一眼、「でもお高いんでしょう?」『はい、そうなんです!』)と予備レンズが入っている。
そしてズボンには財布(現金少々)と、お腹の隠し財布にはパスポートやカード3枚をもっていた。



ヤバいな。




男がカバンを引っ張る。

銃はずっとオレを向いたままだ。
右手のその黒いオートマチックの銃は古く、傷だらけに見えた。



めちゃめちゃ本物っぽいなあー、でも頑張れば奪えそうやなー。



短い間、頭の中でどうしようどうしようと迷っている間、どんどん時間が過ぎる。

男はオレの後ろに回り込み、背負っているカバンを開こうとする。
とっさに片方の腕をバッグから抜き、肩がけにして男の方を向いた。

でももう男はカバンチャックを開け、中のカメラを見つけて取り出そうとしている。


『やだって』



すごく静かだ。
まるで道を聞いているかのようにやり取りが続く。



ついにカメラを手にした男はなにかぼそぼそとつぶやき、財布やバッグは諦めたのかその場を去ろうとした。



『ちょちょちょ、待って』


オレはとっさにすでに男の手に渡っているカメラに手を伸ばし、カメラを隠してくるんでいた布を剥ぎ、素早くメモリーカードを抜いた。(この間1.5杪、プロの技)




男はその行動をつまらなそうに見ながら、「フン」と笑い、立ち去った。




ああ、オレの7D・・・。
いっちゃう・・・いっちゃう・・・




オレはその場に立ち尽くし、男の去って行くのを見つめた。
男は銃をジャージに差し、何度か後ろを振り返りながらトコトコと歩き、オレに手を振る。



なんだよ、それ・・・。




男が1ブロックほど離れた所で、オレはどうしようもなく、でも男を追いかけた。



オレの7D!
相棒!




なんとも言えない感情で、冷静な自分が不思議だった。



小走りに男を追いかける。



男は1ブロック先の角をまがった。
いまさら7Dの行く末を心配しながら角をまがると、こつぜんと、男の姿はもうなかった。








こうして鴨はついにネギを奪われた。









周りに気をつけながら男の去った角を曲がり、慎重に歩く。

その辺に男がまだ潜んでいるかもしれない。
というか、他にもヤバいヤツがいるかもしれない。






さらに1ブロック進んだ所で角を曲がると、なんとそこにパトカーと警官がいた。

『今、すぐそこでカメラ強盗に盗られた!!』
「なに!この先に警察署があるからそこに行きな」
『たった今だよ!犯人この近くにいるから!一緒に来て!!!』
「まずは警察署だ。この先だから行って戻ってこい」
『いや、だから本当に今なの!2分前なの!男がこっちに来たんだって!!!』
「警察署にいきなさい。そのあとだ」



なんなんだ!

今なら男は100m以内にいるはずだ!
警官と一緒なら見つかる可能性も高いし、取り返せるかもしれないのに!


どんだけ言っても話しにならない警官を後にし、やっと慌てて警察署に向かって走る。




くっそう!

なぜか犯人よりも警官に腹が立つ。




警官のいた所からもう1ブロック走ると、警察署があった。

オフィスに入ると2人の警官がカウンターに座っている。



『カメラとられた!今!ラドロン(強盗)!!すぐそこで2分前!』
一生懸命、早くしてくれと話すが相手にされない。




先に警官とやり取りをしているカップルがいて、その女の子がオレの英語を通訳してくれた。
でもその女の子はなぜか号泣している。


事情を聞くと、ブラジルから来たそのカップルもすぐ近くでついさっき、強盗にすべてを奪われたらしい。
銃を持った少年3人に囲まれ、カバンも財布もすべてを取られたと言っていた。



強盗大国ブラジルから来たのに?
2人なのに?





「この人達が先だからちょっと座って待ってて。担当者も呼んであげるから」

しぶしぶ後ろの椅子に座る。

警官がどこかに電話をしてくれ、オレに代わる。
電話の向こうで英語で話してくれる。
苦手な電話で頑張って事情を説明すると「すぐにそっちに行くから待ってて」と言われ、また待つ事に。

その間、調書を書く。
スペイン語で書かれた用紙に苦戦し、その辺のおばちゃんに聞きながらなんとか書き終え、担当者を待つ。



ブラジル人カップルは無事に(?)ポリスレポートをもらい、抱き合いながら帰って行った。
待っている間にも中国人の若者がやっぱり強盗にあってオフィスに来た。



こんなに多いのか。
ボカでもヤバい地区は宿の管理人に聞き、オレが歩いていたのは大丈夫な地区のはずだった。



どこかあっけにとられていて、気持ちの整理が全然着かない。



英語の出来る担当者が40分ほどできて、盗難証明書を作成してもらう。
こうしている間に、ヤツはどっかに隠れてしまい、カメラが戻る可能性は無くなってしまっただろう。




手続きが終了し、抱き合う相手もなく警察署を出て、前でさっきの警官の所にもどるかどうか迷う。

50mくらい歩いてみるけど、さらに強盗に遭いそうでそれ以上進む事が出来なかった。
あと50mほどで警官がいた場所なのに、歩けなかった。



あー・・・どうしよう。


どうしようもない。


宿に・・帰るか・・・・。





でも宿に帰ると今日は盗まれて終わってしまう。
これからも旅をしないと行けないのに、そんなんじゃきっとダメだ。




そう思い、気持ちを奮い立たせてボカのもうひとつの見所、カミニートと言う所に向かうことにした。


大通りまで歩き、人に道を聞く。
落ちて行きそうな気分をカラ元気でもたせ、歩く。





もう7D、ない。





カメラが無いだけなのに、カミニートまでの素敵な景色がすごくつまらなく見えた。




15分くらいでカミニートに到着。

その昔、タンゴの発祥のこのボカで、1人のアーティスト(画家)が造り上げた、カラフルな建物が並ぶ地域。
観光客に溢れ、タンゴが流れる。
通りにはお土産物屋さんが並び、地元のアーティストの絵が沢山売っている。
建物はとても味わい深く素敵だ。



とりあえず、見る。
そして歩く。




周りの楽しそうな観光客の手にはもれなくカメラが握られている。

隠そうともせず、だらしなくクビからぶら下げ、口を半開きでよだれを垂らしながらあるいている。
中には5D(7Dよりさらに上位機種)をもった人さえいる。



みんな楽しそうだ。

いいなあ・・・。



すごく素敵な場所なのに、とてもつまらない。



ひととおりカミニートを見物すると、似顔絵書きのおじさんに似顔絵を描いてもらう事にした。


料金は高く、80ペソ。
でもカメラ無いもん。
写真撮れやんもん。


おじさんにさっきあった事を説明し、強盗にあった後のホヤホヤの似顔絵を描いてもらった。

そして、さらにおじさんにお願いし、その脇にちいさく、今は亡き7Dの絵を書いてもらう。
もちろん、見本のカメラはないので、その辺の観光客を捕まえてきてお願いし、カメラ(Nikon)をおじさんに見てもらった。



素敵な町の絵はがきを買い、ボカジュニアーズのピンバッジを買う。
ピンバッジは7Dへの想いと自分への戒めとして。



1時間ほどカミニートで過ごし、宿に帰ることにした。
でも同じ道をもう歩きたくない。



見かけたバスに飛び乗り、ボカを離れた。






あぁ、やる気がでない。

悲しいとかショックとかじゃなく、気が抜けた。
宿のベッドに戻ると、7Dの予備バッテリーが充電完了し、グリーンのランプが点灯している。




ぼーっとふ抜けているオレを、宿の他の旅人が元気づけてくれ、スーパーに連れ出してくれる。

昨日は肉を食おうにもスーパーが年始&日曜で閉まっていた。
今日は開いているらしいので肉を買って食べる事にした。




相変わらずのカラ元気で、肉を食い、何もせずに過ごした。



肉、うまかった。




あぁ、ヤツの仕事始めは大成功やな。
今年はきっといい年だとか言っているんだろう。


でも・・・やっぱり・・辛いなあ。




CIMG1078.jpg
(強盗記念。 3.Jun.2011 in Buenos Aires)



IMG_1922.jpg
(7Dの遺作。最後の作品)






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非公開コメント

No title

谷さん。
泣ける。。

No title

盗られて悔しいはずなのに、
何故か楽しんでるように見える。。。
メモリーカードを死守。good job!笑
カメラの替えはあるけど命の替えはないからね!
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プロフィール

Umucho (a.k.a.タニシ)

Author:Umucho (a.k.a.タニシ)
1977年生まれ、映像ディレクター
2010年10月末より世界一周の旅へ
2011年6月帰国


地図好き
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子犬パワー
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equipment:
(CANON EOS 7D)←殿堂入り
CANON EOS 60D←New!!!
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